市場共生経営のキーワード 3
概念を口にすることは簡単ですし、理論的にもたいへん筋の通ったものなのですが、厳密な意味で経営に活かされることはほとんどありません。
それどころか、部門担当部長は、部門の能力や経費は"あらかじめ決まっているもの"として、そのままマーケットに反映されて当然だと強く主張するのです。
例えば、コピー技術のパイオニアであるゼロックス社は、潜在顧客の多くが2~3枚のコピーで十分である場合にも、大型の高速コピー機をマーケットに送り出し続けました。
こうしてその能力と経費を顧客のニーズに見合うよう調整しなかったことで、ゼロックス社は、キャノン、ミノルタ、シャープ、その他の日本の競争相手に、デスクトップコピーでマーケットへの大きな足がかりをつかむチャンスを与えてしまったのです。
ゼロックス社は結局、商品デザイン、経費、流通面で改善を行ったのですが、今のところ失ったマーケットを回復するには至っていません。
同様の落とし穴にはまっている企業は多く見受けられます。
・・・こういった企業は"企業の内部から外側のマーケットへ"という視点で事業を捉えています。