工芸村(工芸コミュニティ)
手づくり品が見直され、工芸業が個性あるまちづくり・ムラづくり、ひいては観光振興の一手段として注目をあつめるようになってきた。
いわゆる地場産業の業種はさまざまであるが、なかでも漆器、和紙、陶器などのように、伝統的な工法により、もっぱら手工業的な製造が行われる伝統的工芸品産業は、とくに観光と結びつきやすい。
最近の観光旅行は、ただ観光対象物をみるだけでなく、自分でモノを作ったり、旅行先の人びとの生活の一部に触れようとする体験型旅行が増えている。
「工芸村」は、こうした新しい旅行志向に合った観光資源となりうるものの一つである。
観光客自身による製作体験を可能とするもので、"越前陶芸村"(福井県宮崎村)、"寒風陶芸の里"(岡山県牛窓町)をはじめ、焼き物づくり、和紙の手すき、竹・わら細工など各分野で数多い。
最近は、ただ展示あるいは実習施設が単独であるのではなく、施設周辺を公園化して、観光客が訪れて魅力あると感じられるような施設づくりが増えつつある。
なお、「工芸コミュニティ」づくりとは、岩手県大野村で実践されているものが著名だが、東北工大の研究グループが東北農山村のコミュニティ機能を再生・増幅させるための手段として、昭和五三年に木工芸を媒体とした"裏作工芸"(農閑期の副業としての工芸)の導入を提唱、その候補として大野村が選ばれたことに始まる。株式会社企画海によると、当初、村民の反応はいま一つ鈍かったが、徐々に理解が深まり、木工芸によるムラづくりが定着しつつあるという。
木工芸品の製作には二〇人弱の村民が就業し、デパートなどで開催される物産展などにも出品され、人気を博している。
また、村への観光客の入込みも増えつつある。


